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メールアドレスにおける大文字と小文字の扱い:知っておくべき重要ポイント

テクノロジー
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「メールアドレスって大文字と小文字、どっちで登録すればいいの?」

「大文字で登録しちゃったけど、大丈夫かな…」

こんな疑問を持ったことはありませんか?

メールアドレスの大文字と小文字に関するルールは、意外と知らない人も多いのではないでしょうか。

この記事では、メールアドレスの大文字小文字に関する疑問を解消し、安心してメールを使えるように、以下の内容を解説します。

  • メールアドレスの大文字小文字は区別されるのか
  • 大文字と小文字を混在して登録した場合の影響
  • 登録時の注意点

メールアドレスにおける大文字と小文字の扱い

メールアドレスの大文字と小文字の扱いについて、多くの人が誤解しています。実際のところ、この問題は思われているよりも複雑で、技術仕様と実際の運用には違いがあります。

RFCの規定と現実のギャップ

インターネット技術の標準化や仕様などを文書化したRFC 5321(Simple Mail Transfer Protocol)では、メールアドレスのローカル部(@より前の部分)は大文字と小文字を区別すべきだと規定しています。

つまり、理論上は「John@example.com」と「john@example.com」は異なるアドレスとして扱われるべきです。

しかし、RFCは同時に、この大文字小文字の区別を実際に運用することは推奨していません。なぜなら、相互運用性を損なう可能性があるからです。

Local-part     = Dot-string / Quoted-string
; MAY be case-sensitive
https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc5321

Local-part = Dot-string / Quoted-string: ローカルパートは、ドットで区切られた文字列 (Dot-string) か引用符で囲まれた文字列 (Quoted-string) のいずれかになります。
MAY be case-sensitive: ローカルパートは、大文字と小文字を区別する場合があります(ただし、必須ではありません)。

RFC 5321で定義されているこの文は、メールアドレスのローカルパート(@より前の部分)の形式と大文字小文字の区別について規定しています。

つまり、メールアドレスのローカルパートでは、大文字と小文字を区別して扱う可能性があるということです。

しかし、一般的には、メールアドレスのローカルパートでは大文字と小文字を区別しないことが推奨されています。これは、RFC 5321で「MAY be case-sensitive」とされているものの、実際に大文字と小文字を区別しているメールシステムは少ないためです。

したがって、メールアドレスを登録する際は、すべて小文字で統一しておくことをおすすめします。

実際のメールサーバの運用

現実のメールサーバの多くは、ローカル部の大文字と小文字を区別しない方針を採用しています。

つまり、「John@example.com」と「john@example.com」は同じアドレスとして扱われることが一般的です。

この方針には実用的な理由があります:

  • ユーザーの混乱を防ぐ
  • 入力ミスによる配信エラーを減らす
  • システムの複雑性を低減する

メールアドレスの@以降のドメイン部分については、大文字と小文字の区別はありません。これはDNSの仕様に基づいています。したがって、「user@EXAMPLE.com」と「user@example.com」は常に同じアドレスとして扱われます。

一部のWebサービスではメールアドレスのローカル部を小文字に変換して保存する場合があります。これは、ユーザー管理を簡素化し、重複アカウントの作成を防ぐための措置です。

メールアドレスにおける大文字と小文字に関する実用的なアドバイス

結論として、メールアドレスの大文字小文字の扱いは、技術仕様上は区別されるべきですが、実際の運用では区別されないことが多いのです。

ユーザーとしては、小文字での使用を心がけ、提供されたアドレスを正確に使用することが最善の方法と言えるでしょう。

  • メールアドレスを作成する際は、小文字のみを使用するのが最も安全です。
  • 他人のメールアドレスを入力する際は、提供された通りに正確に入力しましょう。
  • 独自ドメインでメールアドレスを設定する場合、大文字小文字の区別について明確なポリシーを設定することが重要です。

よくあるRFC準拠外のケース

下記のようなケースはRFC準拠外となりますので注意しましょう。

1. 半角英数字と「-」「_」「.」「+」「?」「/」以外の記号が含まれている場合
2. 「.」を連続使用している場合
3. 「.」を最初と最後(@の直前)に使っている場合
4. @の前(左)部分で64文字以上になっている場合
5. メールアドレス全体で256文字以上になっている場合

例)
■メールアドレスの先頭の「.」
 .abcdefg@example.com

■@の直前の「.」
 abcdefg.@example.com

■連続した「.」の使用
 abcd..efg@example.com

(出典)使用可能なメールアドレスについて(RFC準拠)