六角ボルトに使う工具サイズ(スパナサイズ)は、M10などのねじ径ではなく、六角部の二面幅(Across Flats)で決まります。
代表例は、JIS本体規格品のM10が16mm、M12が18mmです。ただし、既存設備や流通品にはM10=17mm、M12=19mmなどの附属書品もあります。
同じM径でもボルトの規格や種類によって工具サイズが異なるため、迷ったときは六角部の向かい合う平面間をノギスで測ってください。
六角ボルトのスパナサイズ早見表(M5~M24)
よく使われるM5~M24の六角ボルトについて、工具サイズを一覧にまとめました。
| ボルトのM径 | JIS本体規格品 | 附属書品の代表寸法 | その他の主な寸法 |
|---|---|---|---|
| M5 | 8mm | 8mm | ― |
| M6 | 10mm | 10mm | ― |
| M8 | 13mm | 13mm | 小形六角:12mm |
| M10 | 16mm | 17mm | 小形六角:14mm |
| M12 | 18mm | 19mm | 小形六角:17mm/高力F10T:22mm |
| M14 | 21mm | 22mm | 小形六角:19mm |
| M16 | 24mm | 24mm | 小形六角:22mm/高力F10T:27mm |
| M18 | 27mm | 27mm | 小形六角:24mm |
| M20 | 30mm | 30mm | 小形六角:27mm/高力F10T:32mm |
| M22 | 34mm | 32mm | 小形六角:30mm/高力F10T:36mm |
| M24 | 36mm | 36mm | 小形六角:32mm/高力F10T:41mm |
特に間違えやすいのがM10とM12です。
- JIS本体規格品のM10:16mm
- 附属書品のM10:17mm
- JIS本体規格品のM12:18mm
- 附属書品のM12:19mm
- 小形六角のM12:17mm
- 摩擦接合用高力六角ボルトF10TのM12:22mm
M径だけで工具を決めず、ボルトの種類と実際の二面幅を確認しましょう。
【規格・種類別】同じM径でも使う工具が異なる理由
同じM10やM12でも工具サイズが異なるのは、ボルトの規格や種類によって六角部の寸法が違うためです。
主に次の違いがあります。
- JIS本体規格品と附属書品の違い
- 通常の六角ボルトと小形六角ボルトの違い
- 一般六角ボルトと高力ボルトの違い
- 外側にスパナを掛けるボルトと、六角穴にレンチを差し込むボルトの違い
JIS本体規格品と附属書品の違い
附属書品とは、以前のJISで附属書に規定され、国内で長く使われてきた寸法体系の製品です。市場では「旧JIS品」と呼ばれる場合もありますが、完全に同じ意味とは限りません。
既存設備や補修部品では現在も見られるため、M径だけでは工具サイズを判断できないことがあります。
M10の場合
| ボルトの種類 | 工具サイズ |
|---|---|
| JIS本体規格品 | 16mm |
| 附属書品 | 17mm |
| 小形六角 | 14mm |
現在のJIS本体規格品を基準にすると、M10は16mmです。一方、既存設備や流通品には17mmの附属書品もあります。
M12の場合
| ボルトの種類 | 工具サイズ |
|---|---|
| JIS本体規格品 | 18mm |
| 附属書品 | 19mm |
| 小形六角 | 17mm |
| 高力ボルト(F10T) | 22mm |
通常の六角ボルトなら、まず18mmまたは19mmを確認します。頭部が小さい場合は17mm、高力ボルトセットの場合は22mmの可能性があります。
また、JIS本体規格品と附属書品では、次のサイズにも違いがあります。
| M径 | JIS本体規格品 | 附属書品の代表寸法 |
|---|---|---|
| M10 | 16mm | 17mm |
| M12 | 18mm | 19mm |
| M14 | 21mm | 22mm |
| M22 | 34mm | 32mm |
M10・M12・M14・M22は、規格による二面幅の違いに特に注意してください。
なお、TONEの二面幅表では、M20について「30(32)」と記載されています。括弧内は「旧JIS又はJIS以外の数値」であり、本記事では附属書品の代表寸法を30mmとしています。
小形六角ボルト・高力ボルトの工具サイズ
小形六角ボルトは、通常の六角ボルトより頭部の二面幅が小さくなっています。
小形六角ボルト
| M径 | 工具サイズ |
|---|---|
| M8 | 12mm |
| M10 | 14mm |
| M12 | 17mm |
| M14 | 19mm |
| M16 | 22mm |
| M18 | 24mm |
| M20 | 27mm |
| M22 | 30mm |
| M24 | 32mm |
| M27 | 36mm |
| M30 | 41mm |
たとえば17mm工具が合う場合でも、必ずしもM10附属書品とは限りません。M12の小形六角ボルトにも17mmが使われます。
高力ボルトは、一般的な六角ボルトとは異なる寸法体系で扱われることがあります。
摩擦接合用高力六角ボルト(F10T)
| M径 | 工具サイズ |
|---|---|
| M12 | 22mm |
| M16 | 27mm |
| M20 | 32mm |
| M22 | 36mm |
| M24 | 41mm |
| M27 | 46mm |
| M30 | 50mm |
上表のM12=22mmは、建築分野などで流通する摩擦接合用高力六角ボルトF10Tを対象とした代表寸法です。
TONEの二面幅表では、高力ボルト・ナットのM12について「21(22)」と記載されています。対象となる高力ボルトの規格や種類によって21mmと22mmがあるため、製品規格と現物の二面幅を確認してください。
高力ボルトには大きな締め付け力が加わります。近似サイズのスパナや傷んだ工具は使用せず、寸法の合った六角ソケットやメガネレンチを使用しましょう。
六角穴付きボルトの六角レンチサイズ
六角穴付きボルトは、外側にスパナを掛ける六角ボルトとは工具の選び方が異なります。頭部の六角穴に合った六角レンチを使用します。
以下の数値は外側の二面幅ではなく、六角穴の対辺寸法です。
| M径 | 六角レンチサイズ |
|---|---|
| M3 | 2.5mm |
| M4 | 3mm |
| M5 | 4mm |
| M6 | 5mm |
| M8 | 6mm |
| M10 | 8mm |
| M12 | 10mm |
| M14 | 12mm |
| M16 | 14mm |
| M18 | 14mm |
| M20 | 17mm |
| M22 | 17mm |
| M24 | 19mm |
| M30 | 22mm |
通常の六角ボルト用スパナサイズと混同しないよう、ボルト頭部の形状を確認してください。
インチ工具をミリ工具で代用できる?
インチ工具とミリ工具は、数値が近くても正式な互換規格ではありません。
インチからミリへの換算式は次のとおりです。
1インチ=25.4mm
インチ・ミリの近似サイズ一覧
| インチ工具 | ミリ換算 | 近いミリ工具 | 呼び寸法の差 |
|---|---|---|---|
| 5/16インチ | 7.9375mm | 8mm | +0.0625mm |
| 3/8インチ | 9.525mm | 10mm | +0.475mm |
| 7/16インチ | 11.1125mm | 11mm | −0.1125mm |
| 1/2インチ | 12.7mm | 13mm | +0.3mm |
| 9/16インチ | 14.2875mm | 14mm | −0.2875mm |
| 5/8インチ | 15.875mm | 16mm | +0.125mm |
| 3/4インチ | 19.05mm | 19mm | −0.05mm |
| 7/8インチ | 22.225mm | 22mm | −0.225mm |
| 15/16インチ | 23.8125mm | 24mm | +0.1875mm |
| 1インチ | 25.4mm | 25mm | −0.4mm |
「+」は近いミリ工具のほうが大きく、「−」はミリ工具の呼び寸法のほうが小さいことを示します。
近似サイズを使用するときの注意点
たとえば3/4インチは19.05mmなので、19mm工具との呼び寸法差は0.05mmです。実際に掛かる場合はありますが、ボルト側と工具側の製造公差、摩耗、さび、塗装などによっては入りません。
反対に、少し大きい工具は掛かっても隙間が生じ、強い力を加えたときに六角部の角をなめる可能性があります。
インチ工具をミリ工具で代用するときは、次の点に注意してください。
- 寸法が近くても正式互換とは考えない
- 工具を手で当て、ガタつきがないか確認する
- 本締めや増し締めには正規サイズを使う
- 固着したボルトには近似サイズを使わない
- 高トルク作業では専用のインチ工具を使う
0.05mm差だから必ず代用できる、とは判断できません。
スパナサイズが分からないときの確認方法
早見表を見ても工具サイズを判断できない場合は、現物の二面幅を測定します。
規格違いだけでなく、さび、塗装、めっき、摩耗、変形などによって、工具が合わないこともあります。
ボルトの二面幅をノギスで測る
六角部の向かい合う平らな面同士を測定します。六角形の角から角までの対角距離ではありません。
- 正しい測定:平面から反対側の平面まで
- 誤った測定:角から反対側の角まで
測定手順は次のとおりです。
- 泥、油、さびを軽く落とす
- ノギスを二つの平面に対して直角に当てる
- 強く挟まず、軽く接触させる
- 2~3方向から測定する
- 測定値に合う工具を選ぶ
- 工具を手で当て、ガタつきを確認する
塗装や厚いめっきがあると、呼び寸法より大きく測定される場合があります。また、六角部の角がつぶれている場合は正確に測れないため、無理に作業しないでください。
スパナ・メガネレンチ・ソケットの使い分け
軽い締め付けや狭い場所ではスパナが便利です。一方、強い力を加える作業では、六角部を広く保持できるメガネレンチや六角ソケットが適しています。
スパナが向いている作業
- 横からしか工具を入れられない
- 配管やホースがあり、リング部を通せない
- 軽い締め付けや仮締め
- 頻繁に工具を掛け直す
メガネレンチ・六角ソケットが向いている作業
- 強い締め付けが必要
- 固着したボルトを緩める
- 高力ボルトを扱う
- ボルト頭部の損傷を抑えたい
- トルクレンチを使用する
固着したボルトには、六角部の面を保持しやすい六角ソケットが適しています。サイズの合わない工具や、摩耗して口が開いたスパナは使用しないでください。
工具が入らない・ガタつくときの確認ポイント
スパナが入らない場合は、次の原因が考えられます。
- JIS本体規格品と附属書品を取り違えている
- 小形六角や高力ボルトなど、種類が異なる
- インチサイズのボルトにミリ工具を当てている
- さび、塗装、めっきで二面幅が大きくなっている
- ボルト頭部が変形している
- 工具側が摩耗または変形している
工具が入ってもガタつく場合は、工具サイズが大きすぎる可能性があります。
大きい工具で無理に回すと、六角部の角をなめる原因になります。工具を斜めに掛けず、奥まで確実に差し込んでください。
モンキーレンチを使用する場合は、口幅を二面幅に密着させ、固定あご側へ力が掛かる向きで使用します。ただし、本締め、固着ボルト、高トルク作業では、寸法の合ったスパナ、メガネレンチまたは六角ソケットを推奨します。
【詳細版】M径⇔工具サイズ変換ツール・全サイズ一覧
ここからは、M1.6~M64の詳細データを掲載します。
変換ツールでは、次の4種類を区別して検索できます。
- JIS本体規格品
- 附属書品
- 小形六角ボルト
- 摩擦接合用高力六角ボルトF10T
M径⇔工具サイズの双方向変換ツール
以下のコードをCMSのHTML入力欄などへ設置すると、M径から工具サイズを検索できます。工具サイズからの逆引きにも対応しています。
六角ボルト・工具サイズ変換
M径から調べる「順引き」と、工具サイズから調べる「逆引き」を選べます。
M径から工具サイズを調べる
工具サイズからM径を調べる
※工具サイズは六角部の二面幅です。規格、製造公差、摩耗、さび、塗装などによって実測値が異なる場合があります。
変換ツールが表示するのは、規格表に基づく代表的な呼び寸法です。実際のボルトでは、製造公差、めっき、塗装、さび、摩耗などによって二面幅が変化する場合があります。
M1.6~M64の全サイズ早見表
| M径 | JIS本体規格品 | 附属書品の代表寸法 |
|---|---|---|
| M1.6 | 3.2mm | 3.2mm |
| M2 | 4mm | 4mm |
| M2.5 | 5mm | 5mm |
| M3 | 5.5mm | 5.5mm |
| M3.5 | 6mm | 6mm |
| M4 | 7mm | 7mm |
| M5 | 8mm | 8mm |
| M6 | 10mm | 10mm |
| M8 | 13mm | 13mm |
| M10 | 16mm | 17mm |
| M12 | 18mm | 19mm |
| M14 | 21mm | 22mm |
| M16 | 24mm | 24mm |
| M18 | 27mm | 27mm |
| M20 | 30mm | 30mm |
| M22 | 34mm | 32mm |
| M24 | 36mm | 36mm |
| M27 | 41mm | 41mm |
| M30 | 46mm | 46mm |
| M33 | 50mm | 50mm |
| M36 | 55mm | 55mm |
| M39 | 60mm | 60mm |
| M42 | 65mm | 65mm |
| M45 | 70mm | 70mm |
| M48 | 75mm | 75mm |
| M52 | 80mm | ― |
| M56 | 85mm | ― |
| M60 | 90mm | ― |
| M64 | 95mm | ― |
掲載値は代表寸法です。製品仕様や規格によって異なる場合があるため、重要な作業では製品図面と現物寸法を確認してください。
工具サイズからボルトのM径を逆引きする
| 工具サイズ | 主な対応ボルト |
|---|---|
| 3.2mm | M1.6 |
| 4mm | M2 |
| 5mm | M2.5 |
| 5.5mm | M3 |
| 6mm | M3.5 |
| 7mm | M4 |
| 8mm | M5 |
| 10mm | M6 |
| 12mm | M8小形六角 |
| 13mm | M8 |
| 14mm | M10小形六角 |
| 16mm | M10 JIS本体規格品 |
| 17mm | M10附属書品/M12小形六角 |
| 18mm | M12 JIS本体規格品 |
| 19mm | M12附属書品/M14小形六角 |
| 21mm | M14 JIS本体規格品 |
| 22mm | M14附属書品/M16小形六角/M12高力F10T |
| 24mm | M16/M18小形六角 |
| 27mm | M18/M20小形六角/M16高力F10T |
| 30mm | M20/M22小形六角 |
| 32mm | M20高力F10T/M22附属書品/M24小形六角 |
| 34mm | M22 JIS本体規格品 |
| 36mm | M24/M27小形六角/M22高力F10T |
| 41mm | M27/M30小形六角/M24高力F10T |
| 46mm | M30/M27高力F10T |
| 50mm | M33/M30高力F10T |
| 55mm | M36 |
| 60mm | M39 |
| 65mm | M42 |
| 70mm | M45 |
| 75mm | M48 |
| 80mm | M52 |
| 85mm | M56 |
| 90mm | M60 |
| 95mm | M64 |
同じ工具サイズに複数のM径が該当する場合があります。逆引き結果だけで規格を断定せず、ねじ部の外径やボルトの種類も確認してください。
まとめ
六角ボルトの工具サイズは、M径ではなく六角部の二面幅で選びます。
よく使われるJIS本体規格品の工具サイズは、次のとおりです。
- M5:8mm
- M6:10mm
- M8:13mm
- M10:16mm
- M12:18mm
- M14:21mm
- M16:24mm
- M20:30mm
- M22:34mm
- M24:36mm
ただし、附属書品、小形六角、高力ボルトでは、同じM径でも工具サイズが異なります。特にM10・M12・M14・M22は、規格や種類を確認してください。
早見表や変換ツールは候補を絞るために使い、最後は現物の二面幅を確認するのが確実です。
また、インチ工具とミリ工具は、数値が近くても正式な互換規格ではありません。本締め、固着ボルト、高トルク作業では、対象に合った正規サイズの工具を使用しましょう。
参考資料
- TONE「インチ・ミリ換算表・ボルト径による二面幅寸法」
- MISUMI「六角ボルト JIS B 1180寸法資料」
- トップ工業「ボルト・ナット対辺寸法表」
- SUNCO「JIS本体規格品切替ガイド」
- KTC「スパナ類の基礎知識」
※掲載寸法は工具選定のための代表値です。規格改定、製品仕様、製造公差などにより異なる場合があるため、重要な作業では製品図面と現物寸法を確認してください。